試験対策ノート

【刑法・論証カード】司法試験重要条文・定義まとめ

36条

第36条(正当防衛)
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

「急迫」の意義

  • 「急迫」とは、法益の侵害が現に存在しているか、又は間近に押し迫っていることをいうから、侵害の急迫性が認められるためには、法益侵害の危険が具体的に切迫していることが必要

「防衛するため」の意義

  • 侵害の認識と侵害に対応する意思があれば足りる
  • 防衛の意思と攻撃の意思とが併存している場合の行為は、必ずしも防衛の意思を欠くものではないと解する

「やむを得ずにした」の意義

  • 反撃行為自体が防衛手段として相当性を満たしていれば良い
  • 具体的には、武器対等の原則を基本としつつ、攻撃者と防衛行為者の性別、年齢、力量等も考慮し、社会通念上許容される行為か否かを判断

36条の趣旨

  • 急迫不正の侵害という緊急状況の下で公的機関による法的保護を求めることが期待できないときに、侵害を排除するための私人

自招侵害の場合

  • 状況を総合しての評価的な認定にならざるを得ない場合も多い
  • 挑発行為における過失の程度、侵害の予期の有無、予期の可能性の有無とその程度、予期し又は予測不能であった侵害の内容と実際の侵害の異同等の具体的事情を考慮に入れ、行為者において何らかの反撃行為に出ることが社会的に正当とされる状況にあるか否かで正当防衛の成否を決すべき

38条

第38条(故意)
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

故意責任について

  • 故意責任の本質は、犯罪事実の認識によって反対動機が形成できるのに、あえて犯罪に及んだことに対する道義的非難
  • 犯罪事実は、刑法上構成要件として類型化されており、具体的な法益主体の認識まで要求されていないと解されるから、認識内容と発生事実が構成要件の範囲内で符合していれば犯罪事実の認識があったと考えられ、故意が認められる

43条

第43条(未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

「実行に着手」の意義

  • 密接性及び未遂犯の実質的処罰根拠から導き出される法益侵害ないし構成要件の実現に至る現実的危険性の二つの基準から判断すべき
  • 密接性・危険性の判断は、行為者の計画も考慮した上で①準備的行為と構成要件該当行為との不可分性②時間的場所的接着性③準備的行為終了後障害となるような特段の事情の有無等の諸事情を総合考慮して決する

「自己の意思」の意義

  • 犯行継続の難易、行為者の予測・計画、犯意の強弱、中止行為の態様等の諸事情を総合的に考慮し、やろうと思えばできたが、あえてやらなかったと評価できることを要し、かつ、それをもって足りるもの

「犯罪を中止した」の意義

  • 結果発生に向けて因果の流れが既に進行を開始している場合には、結果不発生に向けての積極的な措置が必要
  • 刑の必要的減免の根拠は政策的観点と責任減少に求められるから、中止行為は真摯なものであることを要する

54条

第54条(一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理)
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
2 第四十九条第二項の規定は、前項の場合にも、適用する。

「一個の行為」の意義

  • 「一個の行為」とは、法的評価をはなれ構成要件的観点を捨象した自然的観察の下で、行為者の動態が社会的見解上一個のものと評価を受ける場合をいう

61条

第61条(教唆)
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
2 教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする。

「教唆」の意義

  • 「教唆」とは、他人を唆して特定の犯罪を実行する決意を生じさせること

62条

第62条(幇助)
正犯を幇助した者は、従犯とする。
2 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

「幇助」の意義

  • 基本的構成要件に該当する実行行為以外の行為によって、正犯者の実行を容易にする行為

95条

第95条(公務執行妨害及び職務強要)
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。

「職務」の意義

  • 職務とは、全ての公務を含む

「暴行」の意義

  • 公務員に対する不法な有形力の行使

103条

第103条(犯人蔵匿等)
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

「蔵匿(ぞうとく:匿うこと)」の意義

  • 場所を提供して匿うこと

「隠避(いんぴ)」の意義

  • 蔵匿以外の方法で、捜査機関による発見逮捕を免れさせるすべての行為

108条

第108条(現住建造物等放火)
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

「放火」の意義

  • 客体の燃焼を惹起させる行為を行うこと
  • 媒介物を開始て目的物に点火する場合には、媒介物への点火も含む

「現に人が住居に使用」の意義

  • 犯人以外の者が起臥寝食(きがしんしょく)する場所として日常利用されていること

「現に人がいる」の意義

  • 放火の際、犯人以外の者が現実に居合わせること

「建造物」の意義

  • 「建造物」とは、家屋その他これに類する建築物であって、屋根を有し、壁や柱により支えられ、土地に定着し、内部に人が出入りしうるもの

「焼損」の意義

  • 判例は独立燃焼説
  • 火が放火の媒介物を離れ目的物に燃え移り、独立に燃焼を継続する状態に達した時点

109条、110条

第109条(非現住建造物等放火)
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。

第110条(建造物等以外放火)
放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

「公共の危険」の意義

  • 一般人をして他の建造物等に延焼するであろうと思わせる程度の状態が発生すること

130条

第130条(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

「住居」の意義

  • 人の起臥寝食(きがしんしょく)に使用される場所

「侵入」の意義

  • 住居権者(管理権者)の意思に反する立入

155条、159条

第155条(公文書偽造等)
行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3 前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

第159条(私文書偽造等)
行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

「行使の目的」の意義

  • 「行使の目的」とは、他人をして偽造文書を真正・真実な文書と誤信させようとする目的

「偽造」の意義

  • 「偽造」とは、名義人でない者が名義を冒用(ぼうよう)して文書を作成すること

「事実証明に関する文書(159条1項)」の意義

  • 実生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書

177条

第177条(強制性交等)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛こう門性交又は口腔くう性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

「暴行又は脅迫」の意義

  • 暴行・脅迫といえるには、性交等の遂行を可能とするような客観的事情が必要

197条

第197条(収賄、受託収賄及び事前収賄)
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。
2 公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、五年以下の懲役に処する。

「職務」の意義

  • 「職務」とは、公務員がその地位に伴い公務として取り扱うべき一切の業務

「賄賂」の意義

  • 職務に関連する不正の報酬としての一切の利益

「請託」の意義

  • 「請託」とは、公務員に対し一定の職務行為を行うこと、又は行わないことを依頼すること

204条

第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

「人」の意義

  • 「他人」を意味する

「傷害」の意義

  • 人の生理的機能の障害

207条

第207条(同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

「二人以上で暴行を加え」の意義

  • 「2人以上の者」が、意思の連絡なく、同一人に対して、故意をもって暴行を加えたこと

208条

第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

「暴行」の意義

  • 「暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使

211条

第211条(業務上過失致死傷等)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

「業務」の意義

  • 「業務」とは、社会生活上の地位に基づき反復継続して行う事務であって、他人の生命・身体に危害を加えるおそれがあるもの

「注意を怠る」の意義

  • 注意義務違反を意味する

217条

第217条(遺棄)
老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。

「遺棄」の意義

  • 移置(いち)

217条について

  • 217条は保護責任のない者を処罰する規定(保護責任のある者の処罰規定は218条)

218条

第218条(保護責任者遺棄等)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

「遺棄」の意義

  • 移置(いち)に加え、置き去りも含む

220条

第220条(逮捕及び監禁)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

「逮捕」の意義

  • 人の身体を直接的に拘束し、身体活動の自由を奪うこと

「監禁」の意義

  • 一定の区域からの脱出を不可能若しくは著しく困難にすること

224条

第224条(未成年者略取及び誘拐)
未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

「略取・誘拐」の意義

  • 他人をその生活環境から不法に離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に置くこと
  • 「略取」は暴行・脅迫を手段とし、「誘拐」は欺罔・誘惑を手段とする

225条の2

第225条の2(身の代金目的略取等)
近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 人を略取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、前項と同様とする。

「憂慮する者」の意義

  • 「憂慮する者」とは、被拐取者の安否を親身になって憂慮するのが社会通念上当然であるとみられる特別な関係にある者

228条の2

第228条の2(解放による刑の減軽)
第二百二十五条の二又は第二百二十七条第二項若しくは第四項の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。

「安全な場所」の意義

  • 被拐取者が安全に救出されると認められる場所

230条

第230条(名誉毀損)
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

「公然と」の意義

  • 不特定又は多数人が知り得る状態

「事実」の意義

  • 具体的に人の評価を低下させるに足りる事実

233条

第233条(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

「偽計」の意義

  • 「偽計」とは、人を欺罔・誘惑し、あるいは人の錯誤・不知を利用すること

「業務」の意義

  • 「業務」とは、人が社会生活を維持するうえで、継続反復する仕事

234条

第234条(威力業務妨害)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

「威力」の意義

  • 人の意思を制圧するに足る勢力

235条

第235条(窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

「他人の財物」の意義

  • 他人の所有する財物

「窃取」の意義

  • 他人の意に反してその者の占有を侵害すること

領得罪の成立

  • 領得罪の成立にあたっては、不法領得の意思の有無を判断する必要あり

「使用窃盗と窃盗罪」「窃盗罪と毀棄(きき)罪」の区別

  • ①権利者排除意思(権利者を排除して他人の物を自己の所有物とすること)②経済的利用処分意思(経済的用法に従いこれを利用・処分する意思)で区別する

236条

第236条(強盗)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

「暴行又は脅迫」の意義

  • 反抗を抑圧するに足りるもの

「強取」の意義

  • 暴行・脅迫により相手方の反抗を抑圧し、その意思によらずに財物を自己又は第三者の占有に移すこと
  • 暴行・脅迫、反抗抑圧、財物奪取との間に因果関係があること

「財産上不法の利益」の意義

  • 不法に財産上の利益(財物以外の財産的な価値のある利益)を得ること

246条

第246条(詐欺)
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

「欺いて」の意義

  • 一般人を財物・財産上の利益を処分させるような錯誤に陥らせる行為
  • 具体的には①相手方の処分行為に向けられたものであり②処分の判断の基礎となる重要な事項につき錯誤に陥らせる行為

246条の2

第246条の2(電子計算機使用詐欺)
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。

「虚偽の情報」の意義

  • 事務処理の目的に照らし、その内容が真実に反する情報

「財産上の利益」の意義

  • 財産上の利益とは、財物以外の財産的利益一切をいい、債権・担保権の取得、労務の提供などの積極的利得のほか、債務免除や支払猶予を得るなどの消極的利得も含む

247条

第247条(背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

「任務に背く」の意義

  • 法律上の事務、事実上の事務を問わず、誠実義務に反する財産侵害行為のこと

252条

第252条(横領)
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。

「自己の占有」の意義

  • 物に対する事実的支配に限らず、法律的支配を含む

「横領」

  • 不法領得の意思を実現する一切の行為であり、不法領得の意思とは他人物の占有者が委託の任務に背いてその物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思

253条

第253条(業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

「業務」の意義

  • 社会生活上の身分に基づいて、反復継続して行われる事務で、他人物の占有が業務内容になっているもの

260条、261条

第260条(建造物等損壊及び同致死傷)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

第261条(器物損壊等)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

「損壊」の意義

  • 建造物・艦船の実質を毀損すること、又はその他の方法によって、それらの物の使用価値を滅却若しくは減損すること

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