
司法試験・予備試験の勉強法に迷ったとき、最後に立ち返るべきは「過去問」です。
なぜなら、過去問こそが試験委員の思考、評価基準、そして受験生に求める力を凝縮した“最高の教材”だからです。
この記事では「過去問に始まり過去問に終わる」という勉強法の意義と実践方法を解説します。
1.過去問は“合格ライン”の物差し
司法試験・予備試験は相対評価の試験です。どんなに勉強しても、「求められていない答案」を書いてしまえば評価されません。
過去問を解き、合格答案と比較することで、「どのレベルの思考・記述が合格に必要なのか」を体感できます。
学説や理論にこだわるより、試験委員が実際に評価した答案に学ぶことが合格への最短距離です。
2.インプットの目的は“過去問を解けるようにすること”
予備校のテキストや基本書を読み込むのは大切ですが、それは過去問を正確に、素早く、論理的に解けるようにするための手段です。
つまり、インプットは「過去問を解く力を鍛えるための道具」と割り切るべきです。
過去問を中心に据えることで、学習の方向性がブレません。
3.“初見力”を鍛える過去問の使い方
過去問は最初から最後まで繰り返し使うべき教材です。
初見で解く→答案構成→復習→再現→本番
のように、段階的に使い方を変えることで、論点把握力、答案構成力、そして本番力をバランスよく鍛えられます。
重要なのは「覚える」よりも「どう書くか」「どう伝えるか」を過去問を通じて意識することです。
4.試験直前期ほど“過去問原理主義”に徹せよ
本番が近づくほど、新しい問題に手を出すのではなく、過去問の精度を高めるべきです。
自分の答案と合格答案の差異を丁寧に分析し、答案の型を完成させることが重要です。
出題形式や問題文の癖に慣れるだけでも本番での安定感が違います。
最後に
過去問は単なる“問題集”ではありません。それは「合格者の思考プロセス」を映す鏡であり、「試験委員の意図」を読み取る教材です。
過去問に始まり、過去問に終わる——この姿勢こそが合格者に共通する学習哲学なのです。