第 36 条(正当防衛) 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰し ない。 2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。 |
論証カード
36条の趣旨
- 緊急状況下で公的機関の法的保護が期待できないときに、私人による対抗行為を例外的に許容したもの
「急迫」の意義
- 法益の侵害が現に存在しているか、または間近に押し迫っていること(最判昭46.11.16)【現に存在、間近に押し迫る】
「不正」の意義
- 刑法上の違法
「侵害」の意義
- 他人の権利に対し、実害又は危険を与えること【実害、危険】
「防衛するため」の意義
- 侵害の認識と侵害に対応する意思があれば足りる【侵害認識、侵害対応意思】(ゴロ:忍耐意思)
- 防衛の意思と攻撃の意思とが併存している場合の行為は、必ずしも防衛の意思を欠くものではないと解する
「やむを得ずにした」の意義
- 防衛行為が必要性と相当性を具備していること【必要性、相当性】(ゴロ:悲壮)
- 具体的には、武器対等の原則を基本としつつ、攻撃者と防衛行為者の性別、年齢、力量等も考慮し、社会通念上許容される行為か否かを判断