
はじめに:「知識ゼロ×時間なし」でも、突破できる
短答式試験は、司法試験・予備試験の最初の関門です。
「条文なんてまだ読めていない」「六法を開いたこともない」という受験初期の方でも、「やり方」さえ間違えなければ合格は十分に狙えます。
特に社会人受験生にとって、「限られた時間でいかに効率よく得点を積み上げるか」は死活問題。
この記事では、「知識ゼロ」「時間がない」人でも使える、再現性の高い短答式攻略法を、3つの戦術に分けてお伝えします。
戦術①:過去問重視の“逆算学習”を徹底する
司法試験や予備試験の短答式で求められる知識は、極めて範囲が広い。
しかし、合格点を取るためにすべてを網羅する必要はありません。
最短ルートは、「合格者が正解できた問題を、同じように正解できるようになること」です。
つまり、「過去問を起点に、必要な知識だけを拾っていく“逆算学習”」がカギです。
● 実践法:3周×3段階で攻める
- 【1周目】:肢ごとに丁寧に解説を読み、「なぜ○か×か」を理解する
- 【2周目】:肢の正誤を予想してから解説を確認(=アクティブリコール)
- 【3周目】:選択肢を見た瞬間に結論が出るか、スピードと精度を重視
この3ステップを踏めば、「見たことのある問題は落とさない」状態に近づけます。
戦術②:科目ごとの“戦い方”を知る
短答式は、科目によって問われ方も攻略法も異なります。全科目を同じやり方で学ぶと、無駄が多くなり、時間もかかります。
● 民法:条文ベースの理解+事例形式
民法は条文を具体的事例にあてはめる出題が多いため、条文と判例をセットで覚えることが重要です。
条文は「見たら思い出せる」レベルではなく、「頭から引き出せる」状態が理想。
→条文チェックアプリや、講義テキストのまとめを活用し、朝晩のスキマ時間に“耳学習”するのもおすすめです。
● 憲法・行政法:判例知識の正確性が勝負
短答式の憲法・行政法は、判例の言い回し・要旨を正確に覚えているかが合否を分けます。
反射的に「これは違う」と言える力が必要なので、判例の「正確な言葉」を繰り返し読み込むことが有効です。
→判例集よりも、過去問の解説部分や判例カードアプリで“アウトプット重視”の学習を。
● 商法:条文を使いこなせるように
商法(会社法)は、条文ベースの出題が多く、判例知識は最低限。
頻出テーマは「取締役の義務・責任」「株主総会・取締役会」「設立・募集株式」など。
→会社法の条文に「マーク+ひとことメモ」をつけて、使える六法を作る。毎日1テーマずつ読む→翌日アウトプットで復習という分散学習が効果的です。
● 民訴:出題パターンに注目
出題パターンが比較的一定で、過去問ベースの対策が非常に有効です。
→過去問の選択肢を「肢単位」で整理し、出題される論点に慣れておく。初見問題も、「どこが問われがちか」がわかっていれば消去法で対応できます。
● 刑法・刑訴:刑訴法は判例も重要
「刑法」は図解やフローチャートで整理。
「問題文→どの段階の話か→結論」のプロセスを定型化することで、初見問題にも対応しやすくなります。
「刑訴法」は、判例の要旨だけを機械的に覚えるのではなく、「どんな事案で、なぜその結論か」を理解することで記憶が定着します。
講義テキストや判例カードを使って、1日1判例ずつでも「定着+反復」する習慣を。
戦術③:記憶の定着を最大化する「繰り返し×再現性」の技術
覚えるべき量が膨大な司法試験。効率よく記憶を定着させるには、“脳の仕組み”に合った勉強法を取り入れるのが有効です。
● 想起
ただ読むのではなく、「思い出す訓練」=クイズ形式の学習を日常に取り入れる。過去問の肢を“伏せて”答えられるか自問自答するだけで、記憶の定着率は大きく変わります。
● 分散学習と記憶定着の仕組み化
一気に詰め込むのではなく、「1日目→3日目→7日目…」と時間を空けて繰り返す“分散学習”は記憶の定着に極めて効果的。
特に、寝る前の10分復習は翌日の記憶定着率を飛躍的に高めます。
● かたまり記憶と意味づけ記憶
- 「同じ分野・テーマごとにかたまりで覚える(かたまり記憶)」
- 「条文と判例のつながりを意味づけして覚える(意味づけ記憶)」
この2つを組み合わせることで、知識が“ネットワーク化”され、記憶が深く残ります。
おわりに:必要なのは「知識」より「方法」
司法試験・予備試験の短答式は、「覚えた量」で勝負が決まる試験ではありません。
**「限られた時間で、確実に得点を積み上げる方法」**を身につけた者が突破していきます。
今回紹介した戦術は、実際に多くの社会人合格者が使ってきた**“再現性ある方法”**です。
時間がないからこそ、「やり方」が重要になる。
知識ゼロでも、今日から最短ルートに立てます。正しい方法で、次の一歩を踏み出しましょう。