第三百十二条(起訴状の変更) 裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。 ② 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。 ③ 裁判所は、訴因又は罰条の追加、撤回又は変更があつたときは、速やかに追加、撤回又は変更された部分を被告人に通知しなければならない。 ④ 裁判所は、訴因又は罰条の追加又は変更により被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞があると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、被告人に充分な防禦の準備をさせるため必要な期間公判手続を停止しなければならない。 |
論証カード
訴因制度について
- 訴因制度は、審判対象画定機能と防御権告知機能を有するが、第一次的機能は前者にあり、後者はその裏返しにすぎない
訴因変更の要否の判断基準
- (a)審判対象画定のために不可欠な事項の変動であれば、訴因変更が必要
- (b)(a)に当たらなくとも、一般的に被告人の防御にとって重要な事項であって、訴因に上程された事項が変動した場合には、原則として訴因変更が必要
- (c)(b)の場合でも、具体的な審理経過から、被告人に不意打ちを与えず、かつ認定が訴因より不利益といえない場合には、例外的に訴因変更不要
